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脳のピック病

概要

ピック病は、まれな進行性かつ不可逆的な認知症の形態です。 認知症は、脳が正常に機能せず、患者は、言語、行動、認知(思考)、判断力、および記憶に困難があることを意味します。 記憶の変化は、アルツハイマー病のような認知症のその他の形態に見られます。 脳のさまざまな部分に影響を与えることがあるアルツハイマー病とは異なり、ピック病は、脳の特定の領域に影響を与えます。

ピック病はまた、前頭側頭型認知症とも呼ばれており、これは、脳の前頭葉および側頭葉のみに影響を与えることを意味しています。 脳の前頭葉は、計画、判断、感情、言語、言語の理解、および動きのいくつかの形態を含めた日常生活の重要な側面を制御しています。

ピック病および前頭側頭型認知症のその他の形態は、すべての認知症症例の最大15%を占めると考えられています( Alzheimer's Association )。 認知症のその他の形態の患者と同様に、ピック病患者も、急激な人格変化に苦しむことがあります。

原因

ピック病は、すべての神経細胞に見出される異常な量または種類の神経細胞タンパク質(タウ蛋白質)によって引き起こされます。 この異常なタンパク質は、ピック体あるいはピック細胞と呼ばれています。 脳の前頭葉および側頭葉の神経細胞にあるこのタンパク質の異常な量または異なる種類が、神経細胞の変性を引き起こし、それが脳組織の縮小を引き起こし、 この縮小が、ピック病の認知症の症状を引き起こします。

何が異常なタンパク質を引き起こしているのかは、科学者にもわかっていません。 しかし、遺伝学者は、ピック病を引き起こす可能性がある異常な遺伝子を発見し、家族内におけるこの疾患の発生を論文に書いています。

ピック病の原因に関するさらなる研究が、国立衛生研究所(National Institutes of Health、略してNIH)の国立神経疾患·脳卒中研究所(National Institute of Neurological Disorders and Stroke、略してNINDS)およびその他の支部により行われています。

症状

ピック病では、脳組織が縮小し続けるので、その症状は徐々に悪化します。 行動の変化により、社会的に許容されるように立ち回ることが難しくなるので、症状の多くにより、社会的相互作用が困難になります。

ピック病によって引き起こされる行動や感情の変化は、次のとおりです:

  • 突然の気分の変化
  • 強迫的または不適切な行為
  • 日々の活動に無関心であるなど、うつ様症状
  • 仕事が長続きしない
  • 対人関係のスキル、および社会的スキルが不良
  • 身体の衛生が悪い
  • 反復行動
  • 社会的交流からの引きこもり

ピック病によって引き起こされる言語および神経学的な変化は、次のとおりです:

  • 書く能力および読む能力の低下
  • 「記銘力低下」(今言ったことを繰り返す)
  • 話すことができない、話すことに困難がある、または言葉を理解できない
  • 記憶喪失の程度が高い
  • 身体的に弱い
  • 語彙が縮小している
  • 正しい語を見つけるのに苦労している

人格変化の早期発症により、医師はピック病とアルツハイマー病を区別することができます。 ピック病は、アルツハイマー病よりも、若い年齢で発生する可能性があり、 ピック病は、20歳という早期の発症が報告されており、 症状は40歳〜60歳の間で開始することがあります。 発症時の平均年齢は、54歳です。 (PubMed)

診断

ピック病があるかどうかを判断する単一の検査はありません。 医師は、病歴、身体所見、および特殊な画像検査に基づきピック病の診断を下します。 それらには、次のものがあります:

  • 漏れの無い病歴
  • 患者の行動について、家族に尋ねる
  • 身体検査と詳細な神経学的検査
  • 話し言葉と書き言葉の検査
  • 磁気共鳴イメージング(magnetic resonance imaging、略してMRI)スキャン(磁気および電波を使用して、脳の詳細を示す)
  • コンピュータ断層撮影(computed tomography、略してCT)(特殊なX線で、組織および骨構造を観察する)
  • 陽電子放出断層撮影(positron emission tomography、略してPET)スキャン(放射性化学物質を使用して、脳組織の機能を観察する) 

画像検査により、医師は脳の形状や存在する可能性のある変化を観察することができ、 また、認知症の症状を引き起こしている可能性のある脳腫瘍や脳卒中などのその他の病態を消去することができます。 また、血液検査を行なって、高齢者の認知症の一般的な原因である過少な甲状腺ホルモン(甲状腺機能低下症)やビタミンB12欠乏症に起因する認知症を除外することができます。 

治療

現在、効果的にピック病の進行を遅らせる治療法はまだありせんが、

この病態に関連した行動症状を軽減することができるいくつかの治療法はあります。 抗うつ薬および抗精神病薬は、ピック病の症状を治療するために使用されている最も一般的なタイプの薬剤です。

医師はまた、混乱を悪化させる可能性があるその他の問題がないか検査し、そのような問題を治療します。 そのような問題には、次のものがあります:

  • 貧血、つまり赤血球(身体の組織に酸素を運ぶ細胞)の量が減少すること;これにより、疲労、頭痛、気分の変化、および集中困難が発生する可能性がある
  • 酸素レベルの低下
  • うつ病やその他の気分障害
  • 心不全
  • 腎臓や肝臓の障害
  • 栄養障害
  • 甲状腺疾患

対処

残念ながら、ピック病患者およびその他のタイプの前頭側頭型認知症患者の予後は良くありません。 ピック病は、完治することがない、急速に進行する疾患です。

進行が進んだピック病の患者は、通常、24時間介護が提供されている生活支援施設に住む必要があります。 ピック病の最悪の症例では、患者は、言葉を話さなくなり、寝たきりになります。

ピック病患者の平均生存率は、6年から8年です。 急速に進行する症例では、患者はわずか2年で死亡しますが、最大で20年生きた症例もあります。

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